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ウクライナ情勢について(続編2)

今回はウクライナ情勢のお話(続編)の2回目です。 今回の騒乱は2014年に米国によって起こされた市民運動「マイダン革命」に端を発します。 ウクライナ=EU連合協定の署名を中止する代わりに、ロシアやユーラシア経済連合との結びつきを強化するという当時のウクライナ政府の決定が発表された直後、米国に仕掛けられた市民運動が一気に巨大化しました。 レーニン像を倒し暴動と略奪が日常化。 キエフの独立広場は抗議運動参加者によって市庁舎を含めたいくつかの行政庁舎とともに占領、封鎖され多数の死傷者が出ました。 この時のキエフの荒廃ぶりは戦火の現在のように酷い有様でしたが、西側諸国で詳細が報道されることはほとんどありませんでした。 こうした暴力によって政府は転覆。 時の大統領だったヤヌコーヴィチとその他の政府高官らはロシアへ逃亡します。 そして、抗議運動の参加者は大統領府の管理とヤヌコーヴィチの私的不動産を事実上強奪しました。 この2014年に政権を転覆した際、米国民主党政権時の国務次官補ヴィクトリア・ヌーランドとジェフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使が行った電話の録音が何者かに盗聴されYouTubeで公開される事件が起きました。 その電話の内容はヌーランドが「ウクライナ新政権の首相ポスト候補3人から、米国務省はアルセニー・ヤツェニュクを選んだ」と米国が内政干渉どころかトップを選んだことを露呈しており、ウクライナ問題に対し強弁な姿勢を取らないドイツとフランスに対して「Fuck the EU!」と罵りました。 これを聞いたドイツのアンゲラ・メルケル首相はヌーラントの発言を「絶対に容認できない」と述べ、欧州理事会のヘルマン・ファン・ロンパイ議長も、この発言を「受け入れられない」と非難しましたが大きな騒ぎになることはありませんでした。 その後、ヌーランドはトランプ政権発足と共に国務省を退職しましたが、バイデン政権と共に再び国務次官に返り咲きました。 こうして、2014年にウクライナ政権を転覆させたプロジェクトのトップだったジョー・バイデンと実行部隊のトップだったヴィクトリア・ヌーランドが2021年にホワイトハウスで息を吹き返したのが現在のバイデン政権です。 こうして、米国民主党政権復活と共にウクライナで問題が勃発します。 西側のメディアは「マイダン革命」を抑圧に対する民主主義の勝利として演出してきましたが、実際は欧州安全保障協力機構(OSCE)によって認定された選挙で選ばれたヤヌコビッチ政権を暴力的クーデターで倒したことが事実です。言うまでもなくクーデターは憲法に反する行為です。 2014年4月、CNNのインタビューでヌーランドは「米国はより強い民主主義的な政府を目指すウクライナ国民の欲求をサポートするために50億ドルを拠出した」とインタビューに答えています。 そして、クーデター政府は初日にロシア語を公用語から外したことにより東部の国民がロシアに助けを求め西部で米国が支援してきたネオナチの憎悪犯罪が起き、オデッサなどでロシア人を殺害する事件が多発しました。 こうした状況から自衛するため、クリミア、ドネツク、ルガンスクが独立に向かいます。 現在、ウクライナから欧州へと向かう人たちが西側のメディアの放送に出演するようになりました。 フランスのテレビ局に生出演したキエフの女性は「家族はまだキエフです」「戦争が起こるとは思わなかったが噂が広がり4日に前脱出した」「紛争の元は2014年から始まり、日々の暮らしが酷くなってる」「あのパペットのせいだ」「ゼレンスキーは傀儡で選挙は怪しい」「反政権のテレビ局を閉鎖、ジャーナリスト数人死亡」「ロシア侵攻を歓迎」と発言し、番組の主旨と異なることから途中で打ち切りになりました。 また、ドイツのテレビ局に出演したウクライナから脱出した人は「武器を手にした元囚人たちは地元民に強盗やレイプなどのを悪行を働いている」「ゼレンスキーが囚人を釈放して武器を与えたことは、西側ではほとんど報道されてません」「彼らはまず縄張り争いを始め、一般市民を標的にし始めました」「囚人がロシアと戦う理由はありません」「ウクライナの人が恐れているのは、自国の武器を持った囚人たちなのです」「ゼレンスキー体制は邪悪な存在です」と話しています。 果たして真実はどこにあるのでしょうか? 2014年からのウクライナ問題を追って作られた巨匠オリバー・ストーンによるドキュメンタリー映画「Ukraine on Fire」、それに対抗するように作られた米国に住む元イスラエル軍所属だったユダヤ人によって撮られたドキュメンタリー映画「Winter on Fire」。この2つの映画を見ると分かりますが、いま世界には2つのウクライナがあり真実は1つではないことをウクライナの内戦が教えています。 立っている位置が違えば見え方が異なるもので、ここに分断の本質があるのです。 続く

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