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変化を拒み続ける日本の政治

参院選の投票日が近くなりました。

そこで、今回は戦後から変化を拒み続ける日本の政治についてのお話をしたいと思います。


選挙が近づくと必ず「若者も選挙へ行こう」と声高に訴える人がいますが、それだけだと選挙へ行くことが目的となってしまい、政治の本質的な問題を深く考察しないまま投票すると結果的に問題のある政権を助ける形になってしまいます。

ですので、近年は芸能人を使ってまでテレビで訴えるようになりましたが、総務省の許認可事業であるテレビは現政権のために投票率を上げることに加担しているだけに過ぎません。

少し長くなるので最初にお伝えしておきますが、大切なのはご自身で思考するということです。


江戸時代から連綿と続く儒教を下敷きにした日本の社会は競争はもとより、法律より村の掟や空気が重要とされ、実質的な全体主義に他なりません。

ベルリンの壁崩壊以降、世界はグローバリズムへと大きく舵を切りデジタル化によって透明性を担保し、古い商慣習を壊してきました。

この間およそ30年、日本は反グローバルとも言うべき内需を中心に考え、村の掟を重視することからデジタル化へ急速に進むことを拒み続けました(透明性が強まると都合が悪くなる人達がたくさんいますので)。

その結果、表面的なIT化が進み、時代錯誤な改ざん行為が頻繁に起こり、「無かったこと」のようにする隠蔽体質は現在も変わりません。

また、日本を事実上に支配してきた自民党および「アメリカンスクール」と呼ばれる官僚は米国と言っても、共和党の旧主流派ととても近しく、民主党とは険悪とも言える関係が長らく続いていました。

そして事実上、世界の覇者である米国のトップ(特にクリントン夫妻)が日本より中国を事あるごとに優遇することで、これが中国の台頭の要因の一つになってしまいました。


かくありまして、グローバル化とデジタル化、そして米国の変化についていけなかったことが日本の衰退および成長しない本質的な原因なのですが、このような現状の中、保守と言われる人達が守っているのは既得権益であり、リベラルと呼ばれる人達が変えようとしているのは既得権益を他へ移すことだけです。

それゆえ、毎回同じような選挙戦が続き、多くの国民が望む結果に結びつかないのは実際に国を動かしている日本の官僚システムが変わらないからです。


米国の場合、大統領が代われば政府の中枢が総取っ替えになり、机の中まで一掃されます。

これが良いか悪いかは別の話になりますが、日本の場合は総理大臣が代わろうが政権が代わろうが官僚のポストは不動です。

そんな中、唯一影響を受けるのが米国の意向なので日本の未来は米国次第となり、かのCSISのジャパン・ハンドラーズとして名高いマイケル・グリーンも「日本の国策とは、自分の国策を持たずいつも米国と一緒にいる事。それは自民党なら誰が首相でも同じだ」と堂々と述べていますが、このようなことは日本で報道されることはありません。


また、米国や民主主義を行う先進国の政治と日本の政治の大きな違いの一つにロビイストの存在があります。

このロビイストとは政府の政策に影響を及ぼすことを目的として、ある特定の主張をもってロビー活動を行う私的人物や集団のことで、米国では議会登録制になっていて、およそ3万人ほどが米国政府にロビー活動を行っています。

ロビイストのほとんどは、利益団体を代表、代弁して政治家に接触し予算を配分してもらうことや、規制を撤廃してもらうことに尽力しています。

ところが、日本における事実上の予算決裁権は政治家ではなく官僚が握っており、政治家が利益団体を代弁するロビイストになっています。

ですので、日本の政治家は利益団体や地方自治体のトップと官僚を引き合わせて調整を行うこと(根回し)が主な仕事になっています。

結果、「族議員」などという言葉もありますが、日本の政治家は政治をしているのではなくロビー活動をしているのが現実で、実際の政治は国民に選ばれたわけではない官僚が行っているのが日本の政治のシステムなのです。


このようなことから、政治家は昼間の国会よりも各企業および利益団体との密談を交えた夜の会食による調整が重要な仕事になります。

また、数多くある日米間の密約には時の総理大臣ですら知らない内容があります。

現在も隔週のように開かれている日本の官僚と米軍との会議には政治家は出席していません。

つまり、日本の政治家の実態は地盤である地方や特定既得権益団体のロビイストで、米国や米軍の意向のもとに国を治めているのが官僚というのが日本の真の構造なのです。

この仕組みを頑なに守っているのが自民党の清和会になります。


ちなみに、現在の日銀と日本政府による事実上の円安政策も米国の意向によるものです。

このことから、戦後70年以上にわたって日本の政治および国策は米国の政策次第だということは以前投稿した為替相場のお話でも述べた通りですが、これは何も政治や金融政策に限った話しではなく、自衛隊の装備から食品、保険、製薬など様々な業界にも跨ります。


一つ分かりやすい例を挙げると、テレビCMやホームセンターなどで目にする「ラウンドアップ」という除草剤はもともと米国のモンサント社が開発したものですが、成分に含まれる「グリホサート」という物質に強い発がん性が確認されたため、訴訟が相次ぎ米国はもとより欧州でも発売中止となりました。

ところが、日本ではこれを販売にこぎつけるかのごとくそれまであったグリホサートの残留基準値を大幅に緩和してしまいました。

こういった話は、2020年に行われた予防接種法の改正と同じように色々なところで頻繁に起きます。

特にマスコミが世間の目を釘付けにするような大きな出来事が起こるとその裏でシレッと法改正しているのは気のせいではありません(ショック・ドクトリンと言います)。


このような現状を問題視して行動を起こしている政党もありますが、日本の現状は政府の許認可事業として米軍の監視下で放送しているテレビや新聞が変わらない限り、同じような選挙や政治がこれからも長く続くと思います。

ゆえに選挙へ行って投票して終わりではなく、個人が政治のリスクをヘッジしなければならない時代に来ているのは間違いありません。

ご存知のように、グローバル化した世界では政治や経済、生活必需品までもが、一国だけで完結するようなことはほとんどなく、増税や物価上昇、30年以上も変わらない平均給与など様々な問題は、そもそも日本の政治家レベルで変えられるようなものではありません。


大切な自分達の人生を、為政者やその人達の都合で作ったシステムに任せてしまうことほど危険なことなく、身に降りかかる問題を政治や政治家など他人のせいにしても何も解決しません。

選挙へ行くことはとても大切なことですが、それと同様に一人一人が物事を深く考え、一票の責任と同じように自分の人生にも責任を持つことができれば、未来は自然と明るくなっていくと思います。


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